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「M」観てきました


                   とその前に うれしい記事ですよね~~~

                   “これ以上教えることがない”

                   カン・ドンウォンはこの映画のために夏ずっとチョン・ドゥホン監督が運営するソウルアクションスクールで訓練を継続した。
                   手にかたい肉がいっぱいであるほどつらい訓練を消化したカン・ドンウォンは最近チョン・ドゥホン監督に
                   “これ以上教えることがない”という称賛を受けてアクション俳優と認められた

                   戦友分’という最近撮影を始めて,全北(チョンブク)全州(チョンジュ)など全国各地で
                   野外ロケーションを進行している。 絵の中に閉じ込められていて500年ぶりに21世紀ソウルに解放された
                   導師戦友分役を担ったカン・ドンウォンはほとんど毎度撮影でワイアーなど高難易度アクション演技を直接消化している。
                   特に川訓練で全身が筋肉質の‘ナイスバディ’で変身した。


                   ドンウォンくんの「川訓練」の「全身筋肉ナイスバディ」って・・・・・・・・・・・・・みなさん妄想してるでしょ?
                   それにしても ドンウォンくんはすごいですね 完璧なアクション期待中の期待です 華麗なお姿はやくみたいっ
                   あの華奢な手には タコがいっぱいできていたのね あまり想像できないわ~~~~




                   イミョンセ監督とドンウォンくんが作り上げた「M」 すごくいい出来映えだと思います ネタバレなしです

                   なんで韓国でヒットしなかった理由 難解だからとの説もありますがこれで難解だったらどうするの?
                   と思ったりしましたが なんとなく納得のいく答えがわたしなりに出せたような気がしました
                   ものすごく偏見的で 個人趣味ばかりの見方なので 不愉快になりましたら即スルーしてくださいませ


                   ストーリー的なこととは無縁の 溢れる「ジャポニズム」が要因のひとつにあるのではないかと思いました
                   「アジアクロスロード」でイミョンセ監督が
                   『映画に出てくるバーの名前が〈ルパン〉というのも太宰治のファンで他にも谷崎潤一郎夏目漱石
                   も好きで読みました』
                   って・・・・きゃーーーーーわたしと この趣味がいっしょだわーーーーーーとくにデカダンな谷崎潤一郎と
                   よわっちい感性の太宰治は狂ったように読みましたもん トチ狂いついでに学生の時青森の金木町にある
                   いまは資料館になっていますが太宰治の生家 旅館「斜陽館」に泊まりに行ったほどです
                   この「M」を観だして なんとなく夏目漱石の「倫敦塔」連想したのもあながち間違いじゃなかったのね

                   えっと わたしの趣味じゃなくて「ジャポニズム」でした 今回監督が何度も「小津安二郎」を意識して撮った
                   といってましたよね 確かに小津監督へのオマージュが強く そのあたりがまた韓国人が嫌なところかもしれません
                   小津監督と言えば「否定形」をとっている監督として語られます 映画研究家のドナルドリチー氏が

                   「そういうわけで小津作品は非常に少ないものでできている一つのテーマ若干のストーリー少数のパターン
                   技術も非常に限られているつまり不変のカメラアングル移動しないカメラ映画的句読法の限られた使用」

                   これらの点では「M」は異端ではありますが ところどころに見られる ワンショット ワンアングル 視線のずれなど
                   十分オマージュとして使用されています
                   わたしが思うにこういった 否定的引算的構成が 何事にも重層的なものを好む
                   韓国の人々にダメだしされるのじゃないかな 味などもそうですよね
                   日本は諸外国からすれば鎖国していたためもありますけど かなり のんびり もののあはれと自然との共存をして
                   今まで来たわけですよね 詰が甘いしゆるいし
                   侵略なんて理解できないと思います 韓国は「ハン」の国と聞いておりますので 議論好きだし
                   あまり叙情的解釈というのは好みに合わない なんでこれがこうでこうしないのか とこの手の映画には拒否反応
                   どころか生ぬるいので拒絶しちゃおうかということなのでは 日本文化礼賛するのもなんだしって

                   「M」は かなり凝ってます 映像も 編集も ステレオタイプには作られていませんし 
                   それでもやはり 仄かに「ジャパニーズクール」がある 敏感な韓国人にはやはりそこが「耐えられない」
                   のかもしれません



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                   この2セットがわりと鍵ですよね 傲慢なミヌの知の書斎でもそれは砂上の楼閣であることに気づいていく
                   和室での窓は もう狂った象徴ですよ ミクロかマクロか わたしを見るわたしがいるといったまぜこぜ感覚

                   これも小津的で 後期の映画に象的に出てくる料亭でのシーン 「M]でもそうですが設定が非常にブルジョワですよね
                   これも「夢と現実」同様の二極化的視点ですので理解するのに役立ちます

                   ストーリ自体は もうっ!これのどこが難解なんだっ!ってほんといいたくなるほどの夢オチでしょうがっ
                   世界的にもこの「不思議な国のアリス」ものは理解しやすいし 話も面白くできます「なあんだ夢オチかい」って
                   「千と千尋の神隠し」などがいい例ですよね 目ざめたらほっとする現実がそこにある
                   これを一蹴してしまったのがスティーブンキングで「ダークハーフ」 これも作家ものなんです 最後は狂って
                   自分に殺されてしまうけど 有名な「シャイニング」も結局は自分が犠牲ですよね
                   本来ならそこまで狂ってしまったら あとはなし なんですが 夢オチはそこがやさしい
                   オモッ もしかしたら韓国の方々はそこまで追い込んで欲しかったのかしら こりゃまだまだ甘いねって

                   イミョンセ監督の言ってたプロローグの「長まわし」ワンシーンワンカットは わたしとしては溝口健二なんじゃないのかな
                   なんて思いましたが オモーーーーーー生意気ですっ

                   ともあれユートピアは大事ですよ 殺伐とした映画は見た後 どっと疲れますからね
                   で コンヒョジンさん!ステキですねーーーーわたしずっとずっとニガテだったんですよ「ありがとうございます」まで
                   いつも貧しそうな役やってるけど 令嬢ぴったりでした すらりとして優雅で知的でミヌにすごくお似合い
                   イヨニさんも謎めいてる役があの童顔でできるのかって思ってたけど全然そんなことない
                   ストーカーみたいでよかった


                   ドンウォンくんと小津安二郎の接点 それは「とんかつ」
                   小津監督が作品のマンネリズムについて聞かれたとき「豆腐屋にトンカツを作れと言うのは無理だよ」
                   と答えたんです 実際小津監督の中期後期作品の中でトンカツ屋がよく出てくるんです 
                   小津映画を見た後でなんど トンカツ屋に行ってしまったことか数知れません
                   小津監督ほど食べ物を演出した監督もいないと思うんですよ 皆さんもご承知のように「秋刀魚の味」
                   「お茶漬けの味」しかも死ぬ直前まで構想を練っていた映画のタイトルが「大根と人参」なんじゃこりゃです
                   作中では退職した田舎教師たちにトンカツ屋 中華そば屋 しがない料理屋などをやらせてますし
                   「秋刀魚の味」では成功したハイソな教え子たちがその昔の「恩師」を呼んでクラス会をやるんですが
                   これが残酷なほど「鱧」に執着するんです なれない高級料亭で泥酔し 高価なウイスキーのボトルを離さない
                   東野英治郎が 「魚偏に『ゆたか』と書いて 鱧」 と繰り返し言うんですそれを教え子たちがシニカルな表情で
                   「奴さん 字は知っていても食べたことなかったんだね」
                   意地悪ですねえ そして寝こけてしまった元先生を送っていく先が場末のラーメン屋なんです

                   オモッ 無駄なこと書いちゃいました イミョンセ監督アジアクロスロードでも
                   「同じ遺伝子が流れているんです」って言ってましたよね 随分なお気に入りなのね
                   もしかしたらまたこの二人が映画を作るってこともありそうですね
                   ドンウォンくんが 自他共に「モンスター」と呼ばれる俳優になる日 もう「チョンウチ」でそうなっちゃいそうですが
                   「M」でその片鱗がぎらぎらじゃないですか うーーーん インソンくんもかなりがんばらなきゃね
                   っておまえが言うかっおまえがっ です
by tanasukimaa | 2008-10-03 16:11 | ドンウォン君
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